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澤口 拓磨
「有害廃棄物・放射性廃棄物処分へのセメント・コンクリート技術の適用研究委員会」報告書(CD-ROM), p.165 - 173, 2020/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、セメント系材料との接触によってベントナイト系緩衝材の性能(低透水性)が劣化することが懸念されている。本報告では、当該性能評価に資するために規制機関の委託事業として実施した「セメント系材料の変質特性に係るモデルの整備および適用性確認」及び「ベントナイト系緩衝材のアルカリ変質に伴う物質移行特性に係るモデルの整備」に係る研究概要について、年表とともに紹介した。
藤田 英樹*; 根岸 久美*; 大澤 勉*; 本田 明
セメント・コンクリート論文集, (61), p.262 - 269, 2008/02
普通ポルトランドセメントペースト硬化体を用いた通液試験により硝酸ナトリウムがセメント水和物の溶脱へ与える影響を評価した。純水に比べ1mol dm硝酸ナトリウム溶液を通液した場合では水酸化カルシウムの溶脱が1.5倍程度促進された。硝酸ナトリウム濃度を変えながら活量を補正し、水酸化カルシウムの平衡濃度を計算した結果、硝酸ナトリウム濃度が1mol kg付近でCa濃度が最大となり、純水の約1.5倍と評価され通液試験結果と整合した。試験後の供試体の物性は純水に比べ、圧縮強度の低下,劣化部の空隙率増大が起こった。硝酸ナトリウム溶液通液中は透水係数は低下し、空隙率の結果と一見矛盾するものであったが、劣化部に高濃度に存在したNaが関連している可能性が示唆された。
三原 守弘; 鳥居 和之*
セメント・コンクリート論文集, (61), p.331 - 337, 2008/02
放射性廃棄物の処分施設において使用が検討されているフライアッシュ高含有シリカフュームセメント硬化体(HFSC)の長期的な挙動を評価するために、塩化物イオンの見掛けの拡散係数を算定した。また、セメント硬化体の間隙構造や塩化物イオンの固定能力に着目して、セメント硬化体の拡散係数に及ぼす配合,浸漬期間の影響について検討した。その結果、フライアッシュ40%のシリカフュームセメント(HFSC424)が最も小さな拡散係数を示し、浸漬期間とともに小さな値となった。普通ポルトランドセメントと比較して、間隙率が大きく、塩化物イオンの固定化能力も小さくなるが、屈曲度の大きな間隙構造が形成されるために拡散係数が小さくなるものと考えられた。
藤田 英樹*; 芳賀 和子*; 柴田 真仁*; 三原 守弘
セメント・コンクリート論文集, (61), p.65 - 71, 2008/02
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を添加したセメントペースト硬化体からの混和剤溶出挙動を、間隙水及び養生水の組成から評価した。TOC濃度から算出したSP溶出量は小さく、多くは固体に取り込まれたままであることがわかった。間隙水からは低分子量の有機物のみが検出され、高アルカリ性環境によるポリマーの分解、あるいは低分子量物質の選択的な溶出が示唆された。混和剤以外の有機物はプレーン試料によるブランク試験でキャンセルできると仮定したが、粉砕助剤などもともとセメント中に含まれていた有機物が結果に影響していないかといった新たな課題も明らかとなった。
三浦 律彦*; 小西 一寛*; 入矢 桂史郎*; 中山 雅; 松井 裕哉
セメント・コンクリート, (728), p.63 - 67, 2007/10
半減期の長い核種を含む高レベル放射性廃棄物の処分施設は、地下深部に建設して多重バリアシステムにより、放射性核種を生物圏から隔離するコンセプトが採用されている。放射性廃棄物処分場は、地下数百mに建設されるが、日本の岩盤条件を考えると、特に堆積岩の場合、支保工なしに掘削することは困難と思われる。支保工としての吹付けコンクリートには普通ポルトランドセメントが広く用いられるが、高レベル放射性廃棄物処分場に要求される数千年を越える超長期の性能評価においては、セメント系材料からの浸出水が示す高アルカリ(pH12.5以上)の影響により、人工バリアや天然バリアを変質させる可能性が懸念されている。筆者らは、浸出水のpHを低下させる改善策としてポゾラン反応に着目し、シリカフュームやフライアッシュといったポゾラン材料をOPCに対して50%以上置換した低アルカリ性セメント(HFSC)の研究を行い、浸出水のpHを11程度とすることが可能との結論を得た。本報ではポゾランを高含有したHFSCを用いた低アルカリ性吹付けコンクリートの諸特性について紹介する。
前川 利雄*; 梅津 朋岳*; 野中 英*; 吉松 賢二*; 佐藤 孝一*; 佐藤 聡; 西谷 健夫
セメント・コンクリート, (719), p.26 - 31, 2007/01
コンクリートの放射化特性は、セメントと骨材の2つの構成材料の組成比に依存する。これまで提案された低放射化コンクリートでは、不純物質を多く含む骨材を低放射化させる観点から、石灰石骨材などの純度の高い材料を適用することによって低放射化特性を実現している。このようなコンクリートでは、セメントに由来する不純物質成分による誘導放射能が大きな影響を及ぼすようになる。そこで、本開発では従来の骨材選別に加えて、セメントの一部を不純物質成分の少ない石灰石微粉末材料に置換する調合設計手法を導入し、セメント由来の不純物量を低く抑えるコンクリートを製作した。原子力機構の核融合中性子源装置FNSにおいて、試作した低放射化コンクリート及び普通コンクリートに対しDT中性子を照射し、放射化特性を実験的に評価した。その結果、開発した低放射化コンクリートでは、普通コンクリートに比べてNaの誘導放射能が約1/7に低減することを実験的に確認した。長寿命核種のNa(半減期2.6年)については、普通コンクリートでは、照射後10日において約20Bq/g検出したが、低放射化コンクリートでは検出しなかった。